③トランプとプーチンが決めるウクライナ搾取の構図
バイデン前大統領にとってウクライナ戦争はロシアの侵略からウクライナの民主主義を守ることであり、ウクライナは欧州の一部であるため、ウクライナを守ることは欧州を守ることになるという考えであった。
トランプは、欧州が安全の責任を持つべきウクライナにアメリカが支援したのだから「貸しを返せ」という考えである。
対ウクライナ支援額は、欧州1,380億ドル、アメリカ1,190億ドルと欧州の支援はアメリカより多い。トランプはウクライナ支援の見返りとしてウクライナのレアアース等の資源50%の利権を請求するとともに、アメリカによるウクライナの原子力発電所の保有を要求している。
トランプは、ウクライナ戦争の即時停戦を当事国ウクライナとウクライナ支援国の欧州を除外し、プーチンと二人だけで停戦を実現しようとしている。トランプがウクライナと欧州をロシアとの停戦協議の場から外すのは、ウクライナも欧州もアメリカに対するカード(強制力)を持っていないから。
「相手を動かすためのカード」を持っていない者は何事においても交渉する資格が無いばかりか、時には邪魔になる。
トランプのウクライナに対するカードは軍事支援であり、アメリカの軍事支援が無ければウクライナは戦争ができない。だからウクライナはトランプの言うことが何であれ最終的には受け入れなくてはならない。
欧州安全を保障しているのは、アメリカが75%出資しているNATO(北大西洋条約機構)であり、欧州の安全を握られているアメリカに欧州は頭が上がらない。
ウクライナに関する欧州の発言は、トランプにとって聞く耳を持たないため、バンス副大統領もヘグセス国防長官も欧州を誹謗している。欧州の主要メディアは「アメリカは今や欧州の敵だ」などと報道して対米敵視を煽っているが、アメリカと欧州との溝が深まることはトランプの望むところである。
ウクライナは欧州の一部であって北米の一部ではなく、欧州も北米の一部ではない。従ってトランプは、ウクライナは当然だが欧州の安全の責任を負いたくないので、トランプは口癖のようにNATO脱退を言い続けている。アメリカが欧州の敵であることが欧州の人たちに行き渡れば、欧州の安全を敵に委ねていいのか?ということになり、すでにフランスのマクロン大統領が中心になってアメリカに依存しない欧州の安全保障体制を構築するため、127兆円相当の基金を提案している。
これは欧州連合軍構想であり、欧州の方からアメリカのNATO離脱を見越した動きである。正にトランプにしてみれば願ってもないこととなる。
トランプは「欧州連合(EU)はアメリカを利用するために結成された」とか「欧州の脅威はロシアや中国ではなく欧州内部にある」(バンス副大統領)などと欧州を嫌米に誘導している。
欧州はウクライナ停戦後、平和維持軍をウクライナに送ることで、ゼレンスキーにアメリカに負けず今までの支援の見返りを求めるつもりだが、プーチンはトランプ(アメリカ)の利益のことを考慮して欧州平和維持軍はボイコットする。
結局、欧州は多額のウクライナ援助をドブに捨てることに💸
ゼレンスキーは、ホワイトハウスに来ればウククライナ資源共同開発計画の合意ができると言われたので、2月28日ウキウキしながら訪れると、待っていたのは「感謝の言葉が無い」とか「お前はカードを持っていないのに大きな口を叩くな」などと言われて口論となり、ゼレンスキーはホワイトハウスから追い出された。アメリカにとって貴重なレアアース等鉱物資源のほとんどはロシアの支配地のドネツク、ルハンスク等4州に埋蔵されている。
トランプとプーチンは、今後ロシア国内のエネルギー(原子力発電所等)とウクライナのロシアの支配地(やがてロシアに帰属)の資源開発について合意する予定なので、ゼレンスキーに期待を持たせておいてホワイトハウスから追い出したのである。ゼレンスキーは、トランプに軍事支援を停止されてはじめて自分にカードがないことが分かり、途端にトランプの米つきバッタと化した。
トランプは、ウクライナの生死を決める強力なカードを持ち、ロシアには2014年からと2022年のウウクライナ侵攻からさらに強化された対ロシア経済制裁のカードを持つ。
ロシア国内のエネルギー事業へのユダヤ資本の参入と、ウクライナのロシア支配地域の資源・エネルギー開発と交換で対露制裁はすべて解く。最近の首脳会議で、さらなるウクライナ支援と対露制裁強化を決めたばかりの欧州は対露制裁を解くわけにいかない。
従って、ウクライナ戦争終結後にロシアとの対立が激化し、ロシアの脅威に晒されることに…
ウクライナ戦争の勝者はトランプとプーチン。敗者はゼレンスキーと欧州。ゼレンスキーも欧州もトランプに対してのカードを持っていないために敗北。
アメリカは欧州に対してカードを持っているため、欧州がウクライナに対してアメリカより多い援助をしても、見返りはすべてアメリカに取られてしまうということを意味する。
政治でも経済の世界でも、モノを言うのはカード(発言力と強制力)であり、いかなる相手にでもカードを持たなければ失うだけで得ることはできない。
ということは、アメリカにカードを持たれ、アメリカに対してカードを持たない日本はアメリカに喰われ続ける…