⑦今までの世界の在り方(秩序)が変わろうとしている
グローバル主義、国際協調主義の時代では争い(戦争)は起きず、アメリカファースト、中国ファースト、フランスファーストの時代は各国が孤立し、国境はもとより些細なことが原因で争い(戦争)が起きる。
国際紛争には主義も主張も通用せず、通用するのは経済的・軍事的な力のみ。
アメリカ歴代の大統領であるオバマ、トランプ、バイデンが宣言しているように、急成長・急拡大する中国の政治・経済の出現により、戦後長く続いたアメリカの世界の警察官としての役割は終わった。
現在進行中のウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争(実際はイスラエル・イラン戦争)、そして東欧、朝鮮半島、台湾海峡、南シナ海、インド・パキスタン、インド・中国の国境紛争等々、世界に戦争の火種がくすぶっている状態で、世界は正に「乱世」と言える。
徳川が日本の警察官の座を降りた時、小さな島国に夢と野心の明治時代が訪れ、止まることを知らず領土拡張、軍事覇権拡大の野心を追い続けた日本は、遂に第二次大戦で無条件降伏、本州、四国、九州、北海道の元の木阿弥に終わった。
戦後、日本も中国もアメリカに「おんぶにだっこ」のおかげで今日がある。
日本の1ドル360円のドル・円固定相場(ペッグ制)は、ドルと金の交換制が廃止された1971年8月15日後フロート制(自由化)になり今日に至っているが、中国はまだドル・人民元は1対7人民元の固定相場のままである。
かつての日本のように、中国経済は対ドル固定相場により為替リスクから守られ、且つ競争力を与えられている=中国はまだアメリカにおんぶされている状態。
前述のように、モノとサービスの国際取引でドルのシェアは落ち込み、50%を割るところまでになっているが、株式・為替・商品等、金融取引におけるドルのシェアは圧倒的で90%以上である。
現状では人民元がドルに代わると言うのは幻想に過ぎない…
習近平は、国家主席に就任した2023年3月14日以来「外需依存から内需依存へ」を経済基本目標として掲げてきたが、いまだに実現されていない。
トランプの対中高関税政策は「両刃の剣」
対中高関税で在中米企業の本国帰還を促す一方、中国の内需依存を促進することで習近平の経済指針の後押しをする。アメリカの対中経済依存を軽減し、中国を内需依存に誘導するのがトランプの表向きの対中関税強硬政策である。
前述の通り、中国の人民元はまだ国際為替市場で自由化できる段階ではなく、1970年代になってやっと円が自由化されたように、中国の内需依存度が80%あたりになるまで人民元・ドルペッグ制は維持されることになる。
米中戦略的パートナーシップは、子供(中国)の体重に耐えかねた親(アメリカ)が子供を背中から半分降ろし、片足だけ地面に着かせることであり、両足ではない。
キッシンジャーは1972年周恩来との談話(キッシンジャ―・周恩来語錄-2002年公開)で「時期が来たらアジアのアメリカ軍事・経済覇権を中国に譲る」と述べている。
徳川家康が秀忠を右近衛大将に任命して諸大名を前にした会議に常に連れていたように、アメリカは中国に覇権を譲る準備をしているが、中国経済の80%内需依存と民主制度改革が前提としてあるため、それまではG2(アメリカと中国)体制になっても中国はアメリカの摂政下に置かれる。
ドルはアメリカの命。人民元は中国の命。
中国はドルを支配できないが、アメリカはペッグ制だから人民元を支配できる💡
以上の事実を基に、世界はG2体制に向かうことになる…