【大特集】調整される2025年

⑥トランプのウクライナ停戦に隠された狙い

トランプ(アメリカ)にとっての相手は中国のみ。欧州、日本、ロシアでさえ、トランプが中国に対峙するための道具でしかなく、これがトランプの外交政策の根底にある。

これからトランプが行おうとしているウクライナ停戦・和平合意は、トランプがウクライナに対して持つカード(ウクライナに支援するかしないか)をフル活用し、ゼレンスキーにNATO加盟を断念させるか、あるいはプーチンにウクライナのNATO加盟を認めさせる代わりにゼレンスキーにドネツク、ルハンスク、ヘルソン、ザポリージャの4州のロシア割譲に同意させるかどちらかだろう。

トランプの狙いは、ウクライナ停戦・和平合意を達成し、2014年3月クリミア半島ロシア併合以来の対露制裁、さらに2022年2月24日のウクライナ侵攻後、課してきた厳しい金融制裁を解いて米露関係を正常化に戻すことにある💡

トランプは対露制裁解除の条件として、かつて1991年のソ連崩壊後エリツィン大統領(当時プーチンは副大統領)が国営エネルギー企業を民営化し、ユダヤ系資本オリガルヒ(新興財閥)に経営参加させた結果、ロシア経済が急速に成長した事実をプーチンに思い起こさせ、今後、再度国営企業の民営化とユダヤ系オリガルヒのロシア経済参入を求める。

プーチンと今日のロシア民族系オリガルヒの関係は決して良くはなく、一部のオリガルヒに対してプーチンは暗殺までしており、トランプの要望(ユダヤ資本による対ロシア経済参入)はプーチンの望むところでもある。

ユダヤ資本のロシア経済参入により米露経済関係が強化されると、プーチンと習近平の「無上限・無禁区友情」の関係にヒビが入る。

ウクライナ戦争でアメリカと欧米から経済・金融制裁を受けて以来、ロシア経済は中国に依存し続け、「中国無くしてロシアなし」の状態になっているため、トランプはロシアが中国の言いなりになるのを止めさせなければならない。

トランプが対露制裁を解除し、ユダヤ資本をロシアの原油、天然ガス、石炭、穀物等の基幹産業に投入すれば、ロシア経済は急成長すると同時に、再びロシアの対米・対欧経済依存度が高まり「中国なしでもロシアありき」になる。

トランプにとって米中冷戦のためには、ロシアを中国から引き離すことが重要なのである。

トランプは常にキッシンジャーを尊敬し、第一期トランプ政権時代の外交政策はキッシンジャーの言う通りであった。

米ソ冷戦最中の1972年2月キッシンジャーが1年前から中国の周恩来首相と準備していた米中首脳会談(ニクソン・毛沢東)が行われ、世界(特に日本)を驚かせた。米中国交正常化の基本合意が決まり、後の1979年1月1日の米中平和友好条約締結となった結果、中ソ同盟関係にヒビが入り、1991年のソ連崩壊につながった。

このように、アメリカの外交政策の中心的存在は中国だけである。

トランプはアメリカの全産業と市場と国民を抱えていて、習近平は共産党と国営、民営企業と人民を抱えている。米中冷戦が激化すれば、トランプは国民を、習近平は人民の気持ちを引き付けながら、トランプと習近平は裏で利益を分かち合うことができる。

表向きは対立激化、背後ではG2(Group2:米中二大国共同支配体制)を推進💡

トランプのウクライナ和平合意の目的は、1972年のキッシンジャーのようにロシアを中国から引き離すこと。そして、米中冷戦の激化は見せかけで、目的は「米中戦略的パートナーシップ」であり「G2」(グループ2)、すなわち米中二大国で世界秩序に責任を持つことにある☝️

「強い者同士(金持ち)喧嘩せず」