【大特集】調整される2025年

②アメリカが変われば日本はどう変わるのか?

日本はいつものように、しなくてはならないことや、しなくても良いことをしながら生活していると、今の自分が20年前の自分とどのように変わったか気付かない。20年振りに友達に会えば、別人と言われる変わり様。

例えば、20年前の2004年の日経平均株価は 11,488円であったが、現在は39,000円で額にして27,512円の上昇。

しかし、私達の資産は20年前と比べて2.5倍に増えているか?増えていなければ、20年ぶりに会った友達は、お互い年取ったなぁと言われるだけになる。もし、あなたが2.5倍どころか5倍も10倍も資産を増やしているなら、あなたは「時代」の先端を走っていることになる。

「時代」という言葉を使ったのは、人のマインドを変えるのは教育など人為的ではなく、世界中のみんなが少しでも今日より明日、明日より明後日と良くなりたいと思いながら毎日一生懸命生きている世界の中で、あなたに知らず知らずに影響を与える、いわば有機的な「時代の流れ」が存在するからです。

「何か今までになく〇〇な気がするのだが…」と感じたことがあるかと思いますが、一部の人が何か変化を感じると、次第に人から人へと伝搬するものであり、特に今日のSNSによって革命的且つ容易に変化のコンセンサスが拡散し、やがて変化が常識になってしまう。

では一体「今までになく」何が変わったのだろうか?

20年前の資産を5倍以上に増やした人は何が変わったと感じているだろうか…

奥様の着るものはエルメス、旦那様のアタッシュケースはルイヴィトン、車はベントレー、年に二回豪華クルーズ船で世界の名所探索等々、20年前にはしていなかったことをしている。20年前の友人があなたの羽振りの良い生活を見ると別人だと思うだろう。

人は他人から言われないと別人になったことが分からないものであり、人は他人から別世界の人だと言われると別世界の人になる。

日本人の金融資産は2,200兆円でGDP(610兆円)の3.6倍、日本の国民は先進国でダントツにお金持ちなのである。

「金持ち喧嘩せず」

今世界は東西に分断され、国内でも保守とリベラル、極右極左の間で争いが絶えない。日本を訪れる4,000万人を超える観光客が異口同音に言うのは「日本は神の国」。日本の社会は全く分断されていないし、大都市と地方の対立もなく、思想やイデオロギーによる分断や混乱もない。

西欧民主主義の大原則のConflict of interests(利害相反する者は利害を共有してはならない)は、日本には存在しない。

債務者である日本政府は債権者である日銀の株式を55%保有している。これは欧米ではあり得ないことであり、アメリカ合衆国は、中央銀行であるFRB(12の株式会社連邦準備銀行)の株式を1株たりとも所有することは許されない。

日本では、商品を販売会社に少しでも高く売る責任を負っている製造会社の役員が、製造会社から少しでも安く買う責任を負っている販売会社の役員を兼務し、双方から報酬を得る…欧米なら犯罪。

これを見てアメリカ帰りの評論家が、日本では Conflict of interestsが守られていないと指摘したら「まあ、お堅いことは言わないで、ここは日本だからね」という返事が返ってきたと言う。

日本人には、敵と味方、債権者と債務務者、製造会社と販売会社等々、利害相反する相手同士が争わない文化がある。ただ、仮にこれを日本の調整・調和文化と言うなら、欧米や他国には通用しないため、日本は孤立し「ゾンビ」(得体の知れない生き物)と言われても仕方がない。

しかし「日本は神の国」と言う4,000万人を超える外国人観光客は「日本はゾンビ」と思っているだろうか?むしろ日本を称賛しているのではないか。

日本は、アメリカが普及に努めた戦後の民主主義のモデル国家と言われてきた。民主主義モデル国に、民主主義または市場原理の根幹をなすConflict of interestsが存在しないことが日本をゾンビにしている=Conflict of interestsが争いの根源になっていることは否定できない。

日本は、戦後からアメリカの指導通り、マッカーサー憲法の下に民主主義体制という「仏」を作ったが「魂」(Conflict of interests)を入れなかった。まさに「仏作って魂入れず」である。

裁判所の判事は、Conflict of interestsに照らし合わせて判決を下すが、店子同士の争いを収める長屋の大家さんには、そんな面倒なものはいらない。「丸ぅく収めまっせ」が日本流(日本文化)なのである。

従って、闘争と争いの時代である2025年、日本は全てにおいて「相変わらず」を続けることに…

トランプ次期大統領の掛け声「アメリカ・ファースト」で利己主義が世界に伝搬する中で、唯一日本だけが不動の存在となる。

賃上げと物価上昇の好循環が日銀の理想であるが、それには恒常的賃上げが必要。しかし、2023年から連合は経団連と「談合」し、年率5%プラスの賃上げを確保したが、実質賃金は低迷したままで賃金・物価好循環には至っていない。

かつて、1960-70年代の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた時代、当時の総評(連合)にとって「賃上げは経営者から奪い取るもの」が謳い文句であった。労働組合が恒常的に賃上げを経営者から奪い、実質賃金は物価と好循環したことにより、日本経済は世界の奇跡と言われるほど高成長を遂げたのである。

しかし、今の連合は「歌を忘れたカナリア」であるが、今や日本人は奇跡的に金持ちになったのだから、「喧嘩せずの連合」は時代にマッチしているのかもしれない。

世界が争いの時代になってきたのに日本だけが平和なのは、日本は1960-70年代にジェネスト、55年体制、乱闘国会などの争いの時代を卒業したのかもしれない。