【大特集】調整される2025年

①2025年もアメリカ主導で大きく動く

戦後アメリカが築いた軍事覇権とドル基軸をベースにした経済覇権を維持すべきか放棄すべきか…それはアメリカの政治・経済指針の根底を大きく動かす選択であるばかりでなく、戦後アメリカを主導してきた軍産複合体(軍事産業、国防総省、CIA、主要マスコミ)の必要性を問う重大な問題である。

オバマ、トランプ、バイデン大統領は「アメリカは最早世界の警察官ではない」という宣言は、アメリカは国際戦争に関与しない、あるいはできないという大統領としての意思表示と言える。

アメリカは、戦後1950年〜1953年の朝鮮戦争、1955年〜1975年のベトナム戦争、そして2001年10月から2021年(米軍アフガン撤退)まで20年続いたテロとの戦いという名の中東戦争に直接実戦関与してきた。しかし、2022年2月24日ロシアのウクライナ侵攻によるウクライナ戦争、2023年10月7日ハマスのイスラエル本土へのミサイル攻撃によるイスラエル・ハマス戦争が起きたが、アメリカはウクライナにもイスラエルにも直接関与せず間接的軍事支援に留まっている。

バイデンは、軍産複合体に選ばれた軍産の操り人形なので、ウクライナ戦争もイスラエル・ハマス戦争もエスカレートさせようと努めている。

米大統領選が終わり、トランプが次期大統領に決まった2024年11月5日後の11月16日、それまでロシアを過度に挑発しないためにウクライナに使用禁止していた長距離ミサイルATACMSの使用を許可した。

バイデンの動きに続き、イギリスでは長距離ミサイルStormShadow、フランスは巡航ミサイルSCALPの使用を許可。

ロシアはウクライナのミサイル攻撃のレベルアップに対応して、核弾頭搭載可能な大陸間弾道ミサイルをウクライナのYuzhmash軍事施設に撃ち込んだ。この弾道ミサイルはOreshnikと呼ばれ、地中深く浸透し、化学爆発物ではなく金属爆発物なので強烈な破壊力があり、生き残った住民が軍事施設を見に行くと施設が消滅し、まるで広島・長崎の原爆を想像させる様相であったと言う。

ウクライナ戦争をエスカレートさせれば第三次世界大戦と核戦争に誘導され、そのハシゴを上り始めると後戻りできず、行くところ(第三次世界大戦)まで行くことになる。

軍産にとって、衰退し始めたアメリカ軍事覇権の再強化のためには、ロシアとNATOの開戦が必要不可欠。

そして、ゼレンスキーは怯むことなくATACMS、Storm Shadow、Scalpをロシア領内に撃ち続けている。

上記3種類の長距離ミサイルを管理し、米英仏の許可の下にウクライナへ供与しているのはポーランドであり、プーチンはこのレベルアップしたミサイルがロシア領に発射された直後、ロシアはこれらのミサイルをウクライナへ供給した国の軍事基地を攻撃すると言っている。そして、NATOと米軍の基地があるのもポーランド。

NATO加盟国のポーランドをロシアが攻撃すれば、その瞬間からロシアと NATOとの全面戦争、第三次大戦に入る。軍産は、残り僅かになったバイデンの任期中に何とかウクライナ戦争をエスカレートし、ロシアをポーランド侵攻へ追い込みたい狙いがある。一方、トランプは「俺が大統領に就任すれば、ウクライナ戦争は24時間で終わる」と発言。しかし、どうやって終えるのかについては何も語らない。

イスラエル軍の駐米代表Mr.Omer Heimは、「トランプ政権になるとイスラエルのイラン空爆に米空軍が参加するので、現行のイラン軍事基地はほぼ壊滅できる。その後ハーメネイー暗殺と全国規模の民主革命運動を支援する予定。そして、2025年中に現行イラン政権は崩壊する予定である」。これがMr.Omer Heim氏のイランについての見解であった。

また、前期トランプ政権でトランプの右腕として国家安全保障主任補佐官を担い、ロシア疑惑で自ら身代わりになってトランプを救ったMr. Michael Flynnは、ネタニヤフ首相の悲願であるイラン核・軍事施設空爆について、「トランプとネタニヤフは親しい仲。トランプは在イスラエルアメリカ大使館を国際的に認定されている首都テルアビブからシオニストが切望するエルサレムに移行した。イスラエルが猛反対したにも関わらず、オバマ、バイデン大統領が支持し合意されたイラン核合意をトランプはボイコット離脱した。トランプはイスラエルの英雄である。トランプはネタニヤフのイラン空爆に米空軍を動員して支援するため、ネタニヤフの夢は叶う。イランをイスラエルに対する不倶戴天の敵で無くすためにはイランの国家体制が変わらなくてはならない。それには先ず、最高宗教指導者アリー・ハーメネイーを取り除くことだ。自由を求めるイラン国民の運動は日々強まっていて、イラン民主革命の機は熟している。イランの武装解除→宗教指導体制廃止→民主革命という順序だろう」と述べ、Mr. Flynn氏と Mr. Omer Heim氏とは同じ見解であることが分かる。

では、衰退するアメリカの覇権についてはどうか?

アメリカの軍事覇権と経済覇権の衰退が明らかなのは何度もお伝えしている通り。

第二次大戦後、アメリカは世界最大の対外債権国であり、国際収支・財政ともに黒字国であったが、今のアメリカは世界最大の対外債務国であり恒常的国際収支、財政赤字国である。

国際取引で使われるドルを示す世界各国の外貨準備高は急減。アメリカの名目GDP(国内総生産)は世界一で、中国が二位になっているが、通貨の購買力をベースにした購買力平価によるGDPは2017年に中国に抜かれている。

軍事費も名目はアメリカが一位であるが、購買力平価では中国が世界一。

2021年9月米軍はアフガンを最後に中東から撤退、今後アジアからも撤退する。日本からも在日米軍の総経費以上を日本が負担するのであれば留まるだろうが、そうでなければ撤退する。

アジアから米軍が撤退すれば、米軍覇権を引き継ぐのは中国であり、軍産は台湾の防衛力強化で中国を挑発することにより、中国のアジア覇権野心を和らげようとしている。

国際安全保障上「核の脅威」は決定的要因。国連の安全保障常任理事国のアメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスの5か国は核の寡占国である。

しかし、アメリカ以外の核保有国は名目だけで核抑止力がないと言えるのは、アメリカは核の人体実験を広島と長崎で実行済で、他の国は砂漠や地下で実験しただけで、人体実験済みのアメリカの新薬は市販できるが、モルモット実験だけの新薬は市販できない。使えない核には抑止力はないのと同じ。

ただ、中国は無許可の新薬を平気で密売する国であることを忘れてはならない。

また、民主国家アメリカの主権者は国民であり、国民ファースト。中国は国体(レジーム)第一であり、国民は第二。

従って、アメリカは核の先制攻撃をすれば、必ず敵から報復攻撃を受けて国民が犠牲を強いられることが決まっていることから核の先制攻撃ができない。一方、中国は国体のためには国民犠牲も辞さないので先制攻撃ができる。

核先制攻撃ができる中国、できないアメリカ。

トランプの損得勘定マインドは、米中の現実を知っているから中国と対では戦わないし、戦えない。

では、同盟国を束ねて戦えるのか?

アメリカの対中弱体化政策には限界があり、対中高関税でアメリカは返り血を浴びることになる。

トランプは一体どうしようとしているのか…