【大特集】トランプとアメリカの運命

⑥2025年の資産価値大混乱で大暴落

2025年株式市場が大暴落するのはなぜか?

多くのアナリストや経済学者までが2025年の株価暴落を予想している。

その理由のほとんどがニューヨーク3市場(ダウ、ダック、S&P500)の株価がピークに達しているという見解である。さらに、トランプの経済政策についての不透明感を言う意見もある。トランプが掲げる関税政策と、イーロン・マスクにやらせようとしている行政の効率化と歳出の無駄を削減する財政健全化は、アメリカ経済にとってマイナス。

株価が上がるか下がるかを決める基本的要因は、何度かお伝えしている「株式市場タライ論」にある。

タライ(市場)の水(流動性)が増えて、水が軽く(金利が低く)、餌(公共投資)が十分であれば、タライの中の魚(経済)が元気に泳ぎ回る(好況になる)。

FRBは利下げを続けるから金利は下がる。しかし、日米間ではFRBが利下げをし、日銀は利上げを続けることにより日米金利差は狭まり、金利が下がるアメリカから金利が上がる日本へ資金が移動する。キャリートレード(安い円を借りて高いドル資産へ切り替える)の解約が増えているのはその最たる証拠である。

日本は貯蓄から投資への掛け声で政府がNISAに力を入れているので、眠っている資金が連日市場に流入している。

日本政府は、半導体やAI関連投資を長期に続ける方針なので、ソフト関連公共投資が増え続ける。日本政府はラピダスを支援し、TSMC(世界70%の半導体シェアを持つ台湾企業)に挑戦しようとしているため、やがて日本はかつてのように半導体で世界市場を席巻するだろう。

「日本経済30年間死に体」の最大の原因は実質賃金の低迷であったが、2022年から5%を超える名目賃金の上昇で実質賃金もプラスに転じてきた。

そして、日本経済死に体のもう一つの要因は日本経済のデフレ体質。日本は供給過剰、需要過少のデフレ体質であったが、生産拠点の海外移転と斜陽産業の淘汰で供給量が減り、需給バランス(デフレギャップ)は2023年第四四半期からプラスが続いている。

株式市場タライ論に照らしてみると、日本経済は三拍子揃っていることが分かる。

株の神様と言われるウォーレン・バフェットは、バンク・オブ・アメリカをはじめ、米株の保有を減らし、2023年10月から日本の一流商社を皮切りに日本の優良銘柄を買い続けている。これは、国際資金動向を先読みしているからだと言える。

日米株価を比較するなら、圧倒的に日本株が安い。

1989年12月29日に付けた、当時日経平均史上最高値38,915円を超えたのは2024年なので、史上最高値超えに34年もかかっている。

ニューヨークダウ平均の1989年末の株価は2,750ドル、現在は43,000ドルなので約15倍(1,500%)の値上がり。一方、1989年12月末ニッケイ平均は史上最高値38,915円を付けたが、2011年には最安値8,455円まで下げ、それから上げに転じて2024年12月には高値39,600円になっている。ニッケイは35年かかってやっと1989年末の史上最高値38,915円から685円上げて39,600円になったことに。

日本経済死に体、日本の株価死に体を絵に描いたようなものである。

トランプ登場でアメリカの分断は加速し、欧州も右翼化で混乱、韓国はもとよりどこの国も混乱と不安が広がっている。資本というのは、混乱・分断されて不安定な環境を嫌う。

その点、日本は世界で最も平和で安定した国であり、日本を訪問した4,000万人を超える外国人観光客は、口を揃えて「日本は神の国」だと言う。

日本は地政学上の要因からも資本に選ばれる国なのである。