
①キーウ(ウクライナ首都)の命はトランプ次第
トランプは「俺が大統領になったらウクライナ戦争を24時間以内で終わらせる」と、今回の米大統領選キャンペーン中に断言し、今なお言い続けている。
ウクライナが今なおロシアと善戦しているのは、アメリカと欧州が軍事支援を続けているからであり、アメリカがウクライナ支援を中止すればウクライナは即座に敗北し、ウクライナ全土をロシアに占領されるだろう。
トランプのウクライナ戦争即時停止と和平合意の自信は、ウクライナ戦争の勝敗を決めるカードを握っていることによるもの。
では、ロシアとウクライナの停戦と和平合意の条件は何か?
ロシアとウクライナがすでに表明している、双方がどうしても譲れない条件であるウクライナのNATO加盟。
プーチンが2022年ウクライナ国境に20万のロシア軍を駐屯させたのは、ウクライナにNATO非加盟の圧力をかけるためであると明言している。威嚇だけのつもりが実際にウクライナ侵攻に発展したのは、プーチンがナチスの残党と呼ぶウクライナ民兵組織アゾフ大隊(CIAがバック)が、ウクライナ東部でロシア系住民の大量殺戮を続けたため、ドメツクとルハンスク人民共和国(2014年3月に独立宣言をしている)からロシア系住民救済行動の要請があったからだとし、ウクライナ侵攻を正当化している。
ウクライナは、本来ロシアと敵対関係にあるNATOとの緩衝地帯であるため、ウクライナがNATOに加盟することはロシアの安全保障上許すことは出来ないとプーチンは主張。
一方、ゼレンスキーにとってウクライナがNATOに加盟することは、アメリカを含むNATO加盟国によってウクライナの安全が保障されることだから、どうしてもNATOに加盟しなくてはならないし、NATO加盟なしにウクライナの安全はないのである。
従って、ウクライナ戦争停戦と和平合意の成否はウクライナのNATO加盟の成否にかかっている。
もとよりゼレンスキー(ウクライナ)の条件は、ロシアへの領土割譲は認めないままNATOに加盟することであり、プーチンの条件はロシア住民の多い4州割譲(ドメスク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ州)とウクライナのNATO非加盟。
ウクライナのNATO加盟を巡り、ロシアとウクライナは水と油であると言える。そして、トランプはプーチンの「本音と建前」を知っているので、ウクライナ戦争即座停止、和平合意が出来ると信じている。
では、トランプが知るプーチンの本音と建前とは何か?
プーチンが主張するウクライナのNATO加盟阻止は建前であって、本音はウクライナ領内でのロシア占領地拡大だということ💡
2014年クリミアを併合し、今やウクライナ領の4州を併合しようとしているが、プーチンは本音ではウクライナのNATO加盟をさほど要視していない。現に、ロシアと850マイルの国境を接している隣国フィンランドが、ウクライナ戦争後の2023年にNATOに加盟したが、プーチンは何の反応も示さなかった。
それなのになぜウクライナのNATO加盟阻止に固執するのか?
それは、ウクライナの命(安全保障)がかかっているNATO加盟を頑なに阻止することにより、ウクライナに最大限の犠牲(4州割譲)を迫るためである。プーチンにとってNATO加盟阻止は建前であり、ウクライナ領土内のロシア領拡大が本音。
トランプは、ゼレンスキーに4州割譲と引き換えにプーチンにウクライナNATO加盟を認めさせると迫り、もしゼレンスキーがトランプの要請に反対すれば、トランプは直ちにウクライナ支援を停止する。そうなれば、ゼレンスキーは4州どころかウクライナをロシアに占領されることになるため、ゼレンスキーに選択肢はない。
合意が達成されると4州からウクライナ軍が撤退、4州はロシア軍の占領下に。当然のことであるが、停戦と和平合意が達成されると、プーチンは合意に違反してロシア軍はウクライナ領の第5州に侵攻する。
NATO加盟国であるウクライナがロシアに侵略されれば、すべてのNATO加盟国(アメリカを含む)はウクライナの安全保障のためロシアと戦う義務がある。しかし、アメリカも他のNATO加盟国もロシアと戦火を交えたくなく、2024年7月1日に欧州連合議長国になったハンガリーのオルバン首相は親露、親プーチンで知られている。オルバンは、アメリカとNATO加盟国の真意を察して欧州議会で唯一ハンガリーだけが対露戦争に反対。(NATOの加盟国全員が賛成しないとNATO軍は動けない)
プーチンが停戦、和平合意を無視してウクライナ侵攻を続けるのは、たとえウクライナがNATOに加盟しても、プーチンの同調者であるハンガリーのオルバン首相がNATO軍の対ロシア出動を阻止することを知っているからであり、結果ロシアによるウクライナ破壊は続き、ロシアはウクライナ領内占領地を拡大し、それに伴いウクライナ復興需要は増大し続ける。
トランプは、バイデンがウクライナの民主主義を守るために支援した数十兆円で、100兆円規模の復興需要の利権を手にすることをプーチンに認めさせるため、和平合意後にたとえプーチンが再びウクライナを侵攻しても、トランプはウクライナ支援はしない。
結局、ロシア軍はウクライナ全土を占領し、プーチンの夢が叶い、一方トランプはウクライナ支援をしないことを条件に100兆円規模のウクライナ復興需要を自分の物にする。
どうも「見え透いたトランプ・プーチンの出来レース」に見えてしまう…