「たすき掛け人事」なる日銀の慣行を破って学者(植田和男)を総裁にした驚き人事の真相
財務省出身の黒田前総裁(2013年4月就任)の任期が終了した2018年4月、次期総裁は「たすき掛け人事」の伝統に従い、日銀プロパーの雨宮正佳副総裁になると予想されていましたが、黒田総裁が続投。
以前の投稿で、黒田総裁続投が決まった時に「日銀の異常な金融政策(大規模量的緩和、市場介入によるイールドカーブコントロール、マイナス金利、ETF買い等)の正常化は遠のいた」とお伝えしました。
FRBはじめ、ECBもインフレ退治のため引締め政策へと転換しようとしている中で、日銀も歩調を合わせるべきところで黒田総裁は異常政策を続行し、結果的に円安に歯止めがかからず、円安による輸入原材料コスト高で日本のインフレが加速。
黒田総裁就任2013年4月直前の円相場は1ドル97円でしたが、5月には123円、以後円安が続き、ついに植田新総裁にバトンタッチする2023年4月には134円に…
そして、日銀プロパーでもなく、財務官僚でもない学者の植田氏が日銀総裁になったことが異例であり驚きだと報道されました。
もちろん日銀プロパーの雨宮副頭取に次期総裁の声がかかりましたが、黒田総裁とともに日銀の異常金融政策の共犯者であるため固辞したのは当然のこと。また、日銀政策決定会合に参加してきた財務官僚も雨宮氏同様に共犯であると言えます。
よって、かつて審議員を務めた学者の植田氏に白羽の矢が立ったという流れ。
2023年4月に就任したばかりの植田総裁は、とりあえず黒田異常政策を引き継ぎ、結果円安は止まらず、投機筋が矢継ぎ早に日銀介入目当ての円売りを仕掛けてきことにより円安が続きました。
植田総裁は、2024年3月の政策決定会合で日銀の金融政策の正常化に着手。
量的緩和は将来減額するが一応継続、悪名高きマイナス金利は解除、同じく市場介入のイールドカーブコントロール廃止、ETF買い中止、そしてマイナス金利をマイナス0.1%をゼロから0.1%に引き上げました。
量的緩和は一応継続であるため、投機筋は日銀の介入誘導を狙って円売りを加速し、7月11日に最安値161.15円まで円安が進むことに…
日銀は3度介入し、円を155‐151円台のレンジに維持。再度投機筋が円売りを仕掛けましたが、日銀は一切介入しなかったため投資筋は諦め、以後円売りを仕掛けなくなりました。
FRBの9月利下げがほぼ確実になった7月、日銀はコールレートを0.15%追加利上げし0.25%になったことによりドル・円相場は円高基調に。
これで核戦争でも始まらないかぎり、円高トレンドが続き、2024年末の円は1ドル130円まで進むことでしょう。
円高株高のサイクルが定着するかどうか…
