元日銀総裁と現日銀総裁の共通点

「物価はモノとサービスの需給で決まる」という大原則を無視して、金融政策だけで物価目標を達成しようとする共通点。
植田氏は1998年から2005年まで7年間日銀政策決定会合の審議委員を務めていましたが、1999年3月25日の政策決定会合で、デフレ対策と景気浮上のために「ゼロ金利政策」の導入を決定する際、景気が本格的に立ち直るまで続けるという強いメッセージを市場に与えるべきだと主張。これが植田氏の有名な「時間軸効果説」です。

2000年8月、日銀は景気が持ち直してきたことから政策決定会合でゼロ金利解除を決めましたが、植田氏は景気回復は完全ではないと主張。その後、景気が悪化してきたため、2001年3月から日銀は再びゼロ金利政策に戻ることに。黒田氏が「物価が2%になるまで緩和を続行する」と言い続けてきたのは、植田氏の「時間軸効果」に習ったものだと言えます。

しかし、金融政策だけで物価目標を達成できると言うのは到底無理な話。
「物価はモノとサービスの需給で決まる」が原則であり、物価をコントロールできるのは財務省にあり日銀にはありません。日銀が通貨の価値を下げて物価を上げるのは子供だましであり、本筋から外れています。
本来は、財務省の財政出動によって内需を喚起する手助けをするのが日銀の務め。要は、デフレの痛みを一時的に和らげるカンフル剤の役割が日銀であって、病気の根源を治すのが財務省なのです。カンフル剤を病気が治るまで投与し続ける「時間軸効果」は間違いだということ。

黒田氏が10年も続けてきた異次元金融緩和は、百害あって一利なし。黒田氏の言う「効果が副作用より大きかった」は「円安は日本経済にプラス」と同じく大嘘だということが分かります。

人口減少、GDPも下降線、今や外需依存から内需依存になっている日本がやらなくてはならないのは、勇気をもって不要産業(ゾンビ企業)をリストラして供給を落とし、一方で内需拡大政策で需要を喚起して需給のバランスを整えること。

何度も言いますが、物価にも景気にも日銀に主導権はなく、日銀は常に財務省の補助機関でしかないことを知るべきです。

我が道を行く日銀が日本経済の足かせとなっている現状を植田氏は変えるのか変えないのか…