爆買いされる日本
昔はアジアの国々で日本人が爆買いしていましたが、今は『爆買い返し』されていますね。
物価が安いのは良いことだと思っている人も多いのではないでしょうか? まず『物価が安い=給料が上がらない』ことを理解する必要があります。
サンフランシスコでは、一流企業とエリートが爆発的利益を上げて生産性を上げ、多くの人が流入し物価と賃金が上昇しました →アメリカ都市開発省が、サンフランシスコでは年収1400万円以下を低所得と分類するほど。ちなみに日本の金持ちエリアである港区の平均年収は1200万円。大卒1年目の平均年収も比べてみると、アメリカ600万円、ドイツ500万円、日本250万円… 日本は実質賃金(物価に対しての給与)が30年間下がり続けています。
素朴な疑問として、物価が高くなって給料が上がるのと、物価が安くて給料が安いのは、結局同じことではないのか?と思っている人も多いと思います。では、サンフランシスコのように給料の高い国の人が、物価も給料も安い日本に来たらどうなるか?
海外でラーメンは1500円、日本では700円。ダイソーは200円が100円で買える。中国人が日本で爆買いしていたのはこれが理由です 残念ながら「日本のおもてなしが最高!」が爆買いの理由ではないのです。政府が「日本が安いから爆買いされている」という本当のことを国民に伝えると嫌なムードになりますからね…
イギリスでは、日本を『ロンドンから最も安く行ける最も遠い国』と紹介されており、ロンドンの旅行紙には『日本はここ数十年に渡る景気低迷のおかげで旅行者にとって魅力的な国になった』と書かれています。
商品や観光を買われている段階で日本(国民)が喜んでいたのは、デフレという知識がなく、爆買いが何か?インバウンドが盛り上がっている理由は何か?を理解していなかったからです。
今はどうなっているのか? お土産や家電、化粧品などの商品や観光など、買ってほしいものだけを買われるだけではなく『土地』も買われています。例えば、ニセコは国内の価値が上がっておらず、割安だったところを外国人が買い漁った結果、ニセコのラーメンは1500円に、家賃は札幌市内よりも高くなり上昇率は66% 地元人はニセコでスキーができないし、ラーメンが気軽に食べられなくなったのです。それでも外国人からするとニセコは割安だというイメージを持っているようですが…
日本人が、物価の安い国に訪れていろいろ買い物や食事をしますが、現地の人はそれらを買っていないし、食べていないのと同じで、日本が今はそのような割安な国になっているということです。
さらに、土地だけでなく『人材』も買われており、例えばアニメーターの賃金が上がっていないため、日本のアニメーターや制作会社を海外勢がどんどん買っています。日本の構造は、制作委員会から下請けのアニメ制作会社に依頼し、制作会社は低賃金で作らされ、結局利益が増えるのはテレビ局や広告代理店という構造により、制作会社やアニメーターの賃金が上がっていません。そこに参入してきたのがNETFLIXです。NETFLIXは、顧客からサブスクによって直接お金を得ることで、それをそのまま制作会社に直接発注し、制作会社の収益が向上、アニメーターがNETFLIXに流れ込みました。さらに、4月から日本のアニメーター育成事業部まで立ち上げています。 NETFLIXの年間制作費は1兆5000億円で、日本最大であるNHKの5倍。
このように、商品の爆買いから観光の爆買い=モノからコトへ→土地ごと爆買い→人の才能を爆買い→企業の爆買いが進み、今も技術やノウハウを持っている日本企業を買い漁っているのです💰️ 日本のアニメを作っているのはNETFLIX、日本の製造業は中国や台湾の企業、ニセコを運営しているのも海外勢…このままでいいのでしょうか? 牛丼、ダイソーが安くて何が悪い!という考えを改め、なぜデフレから脱却する必要があるのか分かってきたのではないでしょうか?
さらに理解を深めるために、今後の未来も見ていきましょう。
日本は高級ホテルが少ないと世界から叩かれているため、富裕層向けのホテルがどんどん増えていきます。日本人には高すぎて泊まれないようなホテル。食事も…日本は良い魚を買い負けしており、海外勢の方が良い魚を買えているという現状。ことごとく良いモノは海外勢に持っていかれます。その他、企業においては日本企業の上層部は外国人、英語・中国語が喋れないと給料が上がらない…というようなことも増えてくるでしょう。
物価が安いのは間違っているのでは?…と感じてきたのではないでしょうか?
では、デフレを脱却するためにはどうすればいいのか?
①適正価格に慣れる必要がある。値上げに慣れる。『高いサービスで安い料金』を見直す。
企業も消費者も寛容になるべきであり、料金が安い→給料が上がらない→高い商品が買えないというサイクルを見直し、物価を上げて給料を上げる。
②自分のスキル成長とともに、自分の値段(給料)を交渉していく。企業も人的投資の見直しが必要。
日本は30年前の景気が良かった時代に、人に投資せず内部留保を進めた結果、人材開発への投資はGDP比で日本が突出して低くなってしまった。高齢者のために福祉にお金をかけて票を集める風習を止める。
③労働生産性を上げる
長い労働時間をかけて安い商品を作ることを止める。カリフォルニアが伸びたのは、ITによって短い時間で大きな稼ぎを得たからであり、日本でもITやテクノロジーの知識を高めていく。今のままだと日本では賃金の安い仕事しか残らなくなってしまう。
デフレについて述べてきましたが、『デフレが悪!』というわけではなく、バランスが大事だということです。 また、長く続いているデフレが『普通』という感覚になっている方も多いと思うので、『普通』を疑い思考を柔軟にすることも大切です。この大変革時代にあらゆるシナリオを考えて対策する必要がある中で、こういった情報も含めて対策に繋げてもらえればと思います。
